美術館と宮殿

アバデ・デ・バサール博物館（Museu do Abade de Baçal） アバデ・デ・バサール（バサール修道院長）博物館は、1915年に旧司教館を利用してつくられました。この司教館は17世紀に建てられたもので、ミランダ・ド・ドウロ（Miranda do Douro）とブラガンサの2つに分かれた司教区を行き来する司教が1年の半分を過ごす、正式な司教の住まいとして使われていました。博物館の名前は、バサールのフランシスコ・マヌエル・アルヴェス修道院長（1865－1948）を記念して付けられました。アルヴェス修道院長は、地域の歴史と芸術に強い関心を持った博学な人で、この博物館の設立に力を注ぎました。

この博物館では、9部屋を使って、トラスモンタノ（Trasmontano）地方北東部と司教館の歴史というテーマに沿った展示が行われています。設立当初からのコレクションに加え、バルボーザ・ロドリゲス大佐とサ・ヴェルガスからの寄贈品（18～19世紀の硬貨と金製の宝飾品）や、作家のゲーラ・ジュンケイロとトリンダーデ・コエーリョからの遺贈品の数々があります。特に価値のあるものとしては、15世紀の絵画「聖母マリアと幼子イエス（Virgem com o Menino）」、聖油の保管に使用されていた18世紀の戸棚、「聖イグナチオの受難（Martírio de Santo Inácio）」を描いた三連祭壇画（1560年頃）、カンバスに描かれた18世紀の「受胎告知（Anunciação）」があります。