海から獲れたての新鮮な魚介類、これらがアルガルヴェ料理のメイン食材です。これらには、その芳香が太陽により高められた野菜や果物が添えられます。その組み合わせは、忘れられない食事のひとときとなるでしょう。

まずは、海の贈り物から始めましょう。シーフード：グリドルかフライパンで焼いたハマグリ、オイスター、ナミノコガイ、ザルガイが美味です。ヴィセンティーナ海岸のビーチで味わえるプレーンなフジツボ、レザー・クラム・ライス、巻貝と豆のシチュー、ハマグリのグゼレム (xerém) (トウモロコシ粉のシチュー)、そしてシーフードのアソルダ (açorda) (パンの鍋料理) も食欲をそそる逸品たちです。非常に人気のあるハマグリのレシピがカタプラーナ (cataplana) です。伝統料理の1つで、その秘訣はアラブに原型があるというハマグリ型の銅製の鍋を使うことです。この鍋を使うと、食材のすべての芳香とアロマが調理されても消えません。味覚を刺激したい場合は、この地域の塩、特に、塩の「クリーム」 - 塩の花をひと摘み加えればいいでしょう。夏にこれらの名物料理を楽しめる多くのレストランの他に、リア・フォルモーザ (Ria Formosa)に近いオリャン (Olhão) とファロ (Faro) のシーフードフェスティバルがあります。そこでは最も豊富なメニューが味わえます。

しかし、どの新鮮な魚も、木炭の上でじっくり焼かれて仕上げられます。これは漁師が調理する方法で、まさに神の料理です。ほかにも、カラパウス・アリマドス(carapaus alimados) (皮をむいた鯵) やイワシのグリルなどの料理もあります。これらはどこででも食べられますが、ポルティマォン (Portimão) では特に評判が高いメニューです。これらはパンの上に乗せるか、その特別な味に風味を加えるためトマトとオレガノで作ったモンタニェイラ (montanheira) サラダを添えて美味しくいただきます。タヴィラ (Tavira) のマグロのステーキや串焼きから、サンタ・ルジア (Santa Luzia) ではワイン煮、パン粉をまぶす、焼く、ライス添え、あるいはシンプルにオーブンで焼くなど、さまざまな方法で調理される蛸、さらにはイカや甲イカまで、アルガルヴェはこれらのメニューのエキスパートです。

山と海岸の間の移行帯であるバローカル(barrocal) では、少し違った料理が楽しめます。肉料理が圧倒的に多く、ガリーニャ・セレジャーダ (galinha cerejada) (チキンの炒め物)、コジード・デ・グラオン (cozido de grão) (蒸した肉とヒヨコ豆) があり、サン・ブラス・デ・アルポルテル (São Brás de Alportel) とケレンサ (Querença) のソーセージはフェアやフェスティバルの主役です。ここでは農業が主な活動の1つです。そして樹木の果実はリキュールと伝統的なスイーツの製造には絶対に欠かせません。これらの開花時には野原に独特の美しさが加わります。そして2月、アーモンドの木はアルガルヴェの象徴的なイメージの1つになります。

オレンジはそのまま食べたりジュースとして飲んだりしますが、アーモンド、イチジク、カロブ豆は、非常に人気のあるスイーツに使用されます。例えば、カラフルなアルミ箔に包んだドン・ロドリゴス (dom rodrigos ) (卵とアーモンドのスイーツ)、通常は地域独特のモチーフとアーモンドの花で飾られるモロガドス (morgados) (砂糖、アーモンド、卵、エンジル・ヘア、かぼちゃで作る小さなケーキ)、最も多彩な果物と野菜の形をした堅いアーモンドの練り菓子であるマジパンなどです。ほかにも、イチジクの詰め物やチーズ、イチジクのトリュフなど、是非味わいたい名物料理があります。イチジクのブランデーメドロンホ (Medronho)、ビターなアーモンドのリキュールは、美味しい食事の締めくくりとして素晴しい消化薬です。

実際には、アルガルヴェで最高の料理はテーブルで給仕されます。シンプルなビーチのテラスであれ、世界に名の知れたシェフが経営する最高級のレストランであれ、それは絶対に外せない体験であり、何度でも繰り返し味わいたい体験です。