サイクリング

自転車でポルトガルを探検するのは、ほかでは得られない経験です。気が付かないで通り過ぎてしまうかもしれない香りや音を感じながら、自分のペースで走ることができます。海側を選ぼうと、山のアップダウンを選ぼうと、あるいは町や村をのんびり走ろうと、選択肢は無限にあります。さぁ、ペダルを漕ぎましょう!
快適な気候で、極端な温度変化がなく、太陽も1年中輝いているポルトガルには、自転車で探検するための素晴しい条件が揃っています。数キロ以内で、丘からビーチまで、喧騒の都市からのどかな田舎まで移動できるため、ポルトガルでは、短い距離の中で非常にさまざまな風景を楽しめます。また、息を飲むほど見事な景観の場所まで、必要な回り道も自転車でなら簡単にできます。
Photo: Lisboa Região © Yves Callewaert
さまざまなルートでいくつかの体験ができます。ツーリングとマウンテンバイクを楽しむなら通常の道路から山道を、のんびり静かにペダルを漕いだり、アドレナリンの放出量をさらに高めるさらに走り甲斐のある道に挑戦するのも自由です。多くのプランではジオリファレンスを利用しており、ポッドキャストやスマートフォン・アプリで使用できます。しかしロードブックにアクセスできない場合でも、必ず親切な人たちがいて道案内してくれます。
Photo: © Turismo do Alentejo
ポルトガルでは自転車専用道路が増えています。海岸沿い、自然公園と森林の中、そして街中と、標識のあるサイクリング用のルートが数多くあります。また、サイクリストのためのサービス・エリアやさまざまな店舗もあります。一部のホテルではサイクリスト用に設備があり、サイクリストが休憩したり、自転車に必要なすべてのサービスが揃っています。そんなわけで、すべてが常に完璧に機能するのです。公的交通機関とサイクリングを組み合わせることも可能です。それにより、この国をツーリングするチャンスが増えるでしょう。
自分で自転車を持ってない場合でも、短期長期を問わず、1台レンタルすることができます。多くの都市では自転車が無料で利用できます。市内の魅力を発見する一日を過ごす、健康的で環境に優しい方法です。
Photo: © Caminhos da Natureza/Portugal Nature Trails
ルートが決められたツアーの利便性を利用して自転車でポルトガルを知りたい場合には、すべてが含まれているパッケージ・プログラムを提供する会社がいくつかあります。最高のホテルから専門のガイドまで、より本格的な料理を楽しめるレストランからモニュメントや博物館の見学まで、あらゆる嗜好に対応するパッケージがあります。個人で行動したい方には、「ガイドなしツアー」や一人旅用のオプションがあります。ガイドやスケジュールはありませんが、便利だと感じてもらえる支援サービスを利用することができます。つまり身体を大いに動かす休日になりますが、何も心配いりません!
Photo: © Caminhos da Natureza/Portugal Nature Trails
自転車ツアーと、乗馬や動植物観察などの自然を楽しむアクティビティを組み合わせることもできます。このように、ポルトガルのたくさんの魅力を知るチャンスが増える体験をさらに楽しむことができます。
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自転車で探検すると、それぞれの場所の別の面が見えてきます。建物を間近で見たり、土地の人々と深く触れ合ったり、彼等の日々の生活を本当の意味で体験したり、彼等に溶け込むことができます。
ポルトガルでは、ツーリングに必要なすべての設備をサイクリストに提供する労を惜しまない町の数が増えています。専用の、標識をつけた小道や道路、サポートや駐輪場などが用意されています。また予定外の問題を解決するためのワークショップ、サービス、あるいは専門店も簡単に見つかります。
Photo: © BTTour | Portugal Bike
また、電車、バス、地下鉄にも無料で自転車を乗せることができるため、限られたルートと時刻表を守る限り、サイクリングと公共交通機関を組み合わせることもできます。さらに、アヴェイロ (Aveiro)、カスカイス (Cascais)、トレス・ヴェドラス (Torres Vedras)、マイア (Maia) などの多くの場所では、無料の自転車を日中の短い距離のツーリングに使用できます。
市、町、村について知ることは、その国全体を周るきっかけになる可能性が十分にあります。状態のよい路面の道路の広大なネットワークがそれを容易にしてくれます。特に交通量の少ない内陸部では、ロードバイクでツーリングするための理想的な環境が見つかります。また、広大な平原といくつかの丘のある地域アレンテージョでは、その条件は簡単に見つかります。
Photo: © Turismo do Alentejo
中世の城や壁から、より近代的な、世界的に著名な建築家による建物まで、ポルトガルには見どころがたくさんあります。ロマネスク様式が他の様式を圧倒している北部地方では、個人で、あるいは専門の企業が提供している多くのガイド付きツアーを利用してさまざまなルートを辿り、より象徴的なランドマークを訪問できます。なお、ワインを製造している荘園 (quintas) や村を通るワインルートを選ぶこともできます。
主要都市でサイクリストに最も人気のある地区は、河岸や緑豊かな空間です。例えば、リスボン (Lisboa) ではモンサント森林公園 (Parque Florestal de Monsanto)、ポルト (Porto) では市民公園 (Parque da Cidade) です。一方、最も賑やかな歴史センターから最ものどかな地区まで、ペダルをのんびり漕げる場所もたくさんあります。
Photo: © BTTour | Portugal Bike
中部地方では、その信頼性には住人たちが自信を持っている歴史ある片岩の村を特にご紹介しましょう。南部地方には、長居したくなるような、手付かずのままの城壁の家々が並ぶ村があります。これらの場所の多くには、北から南まで、豊富な証拠があるユダヤ人の伝説や、アルガルヴェ (Algarve) にある今も確認できるイスラム人の存在した痕跡など、他の人々や文化に通じる印があります。マデイラ (Madeira) 諸島とアソーレス (Açores)諸島の街での自転車ツーリングは、海を間近に見ながら走ることができます。
エストレーラ山脈(Serra da Estrela)はポルトガル本国内の最高峰で、トーレまで登るのは、どんな自信家のサイクリストにとっても簡単ではありません。しかし、島々を含め、北から南まで、ポルトガルには山を上っては下りる多様な道が用意されており、素晴しい景観を堪能できます。
Photo: © Caminhos da Natureza/Portugal Nature Trails
エストレラ山の他に、ポルトガル中央部にはサイクリングに理想的な山があります。カラムーロ (Caramulo) とロウザン (Lousã)がそれで、その下りでは他にはないダウンヒルを楽しめます。アルト・ド・トレヴィン (Alto de Trevim) の頂上への道は神秘的と評されていますが、これらの道を下るのは、その多くはイノシシが作った道ですが、純粋に興奮と刺激いっぱいのひと時を過ごせます。また、片岩でできた村が見つかるのもこの地域です。マウンテン・バイクのセンターとクロスカントリー、ダウンヒル、フリーライド用のトラックのネットワークが用意されており、それぞれ専用の標識が付いています。4つの難易度があるため、初心者から上級者まで、どのタイプのユーザーでも利用できます。
Photo: © Paulo Magalhães
国内を縦横に走るこれらの道を辿ると、それぞれの地域の動植物を見ることができます。例えば北部地方では、本物の自然の聖地と考えられる草原のあるペネダ・ジェレス国立公園 (Parque Nacional da Peneda-Gerês) から、断崖が猛禽類の営巣地になっている国際ドウロ自然公園 (Parque Natural do Douro Internacional) まで、見所が非常にたくさんあります。
さらに南には、セーラス・デ・アイレ・イ・カンデエイロス自然公園 (Parque Natural das Serras de Aire e Candeeiros) の中に、洞窟探検を組み合わせることができるいくつかの道があり、山の中も探検できます。リスボンの近くのシントラ山脈 (Serra de Sintra) は、この魔法のような場所の豊かな緑地を横断する、挑戦しがいのあるオールテライン・トレイルがあります。さらに、もう一つの自然公園、アラビダ山脈 (Serra da Arrábida) では、海を一望する素晴しい景観を楽しめます。海の空気で運ばれる花の香りを胸いっぱいに吸い込んでください。
Photo: © Turaventur
南では、アルガルヴェの道 (Via Algarviana)が山脈を横断して東から西へ、伝統的な生活道路が保たれているあまりなじみのないアルガルヴェ内部を走っています。マデイラ島では、百年の時を刻む素晴しい森、ラウリシルヴァを横断する水路レヴァダス (levadas) を通ることができます。また、アソーレスの9つの島には、マウンテンバイク用の道が無数にあり、自然の力強さを発見できます。アドレナリンを全開するサイクリングの休日を過ごすために挑戦すべき舞台は、この国のいたるところで見つかります。
大海原を臨み、海の心地良い香りと心と身体が温める降り注ぐ太陽を感じながら、海岸をサイクリングするのは最高の楽しさです。さらに、見事な景観と、好きなときに自転車を止めて海にダイブするというオマケまでついてきます。
Photo: © BTTour | Portugal Bike
ポルトガルの海岸沿いには多くのサイクリング・ルートがあります。定められた、わかりやすい標識のある道とともに、サイクリストの安全と心の平安を考えて作られました。最長のルートはアレンテージョとアルガルヴェを横断するヴィンセンティーナ・ルート (Rota Vicentina)で、ヨーロッパで最も保存状態の良い海岸ルートの1つです。全長356kmはいくつかの区間に分けられており、体力のバランスを上手く取ってツーリングの計画を立てることができます。もっと便利にしたい場合は、ルート沿いのさまざまな宿泊施設に荷物の輸送を依頼できるよう、ツアーを計画することができます。
Photo: © Caminhos da Natureza/Portugal Nature Trails
アルガルヴェでは、南に面した海岸ルート沿いに、海岸サイクリング・ルートがサン・ヴィセンテ岬 (Cabo de São Vicente) とヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオ (Vila Real de Santo António) を結んでいます。これは、最西端の印象的でギザギザの断崖から、東部アルガルヴェの砂丘と暖かい海水のビーチまで、この風景の多様性をつぶさに堪能できる機会でもあります。
しかし、この海岸沿いには、他にもパノラマを楽しめるルートと道路が数多くあり、ポルトガル海岸の完全な美しさを一望できます。リスボンの近くでは、シーフロントの自転車専用道路がギンショ・ビーチ (Praia do Guincho) までの海岸線を走っています。住人はもちろん観光客にも利用されており、自転車の駐輪場が用意されています。カスカイス (Cascais) では無料の自転車も利用できます。
Photo: © Caminhos da Natureza/Portugal Nature Trails
さらに北に行くと、ナザレ (Nazaré) のシティオ (Sítio) と、ポンバル (Pombal) に近いプライア・ド・オッソ・ダ・バレイア (Praia do Osso da Baleia) の間には、大西洋高速道路 (Estrada Atlântica) と平行に70kmの自転車専用道路が走っています。海岸沿いを進むと、広大なフィゲイラ・ダ・フォス (Figueira da Foz) の砂のビーチ、オヴァール (Ovar)、ポヴォア・ド・ヴァルジン (Póvoa de Varzim) を隔てる他の自転車専用道路が現われます。ポルトの近くには、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア (Vila Nova de Gaia) 地区とマトジニョシュ (Matosinhos) に、さらに北にはエスポゼンテとカミーニャ地区にも自転車専用道路がいくつかあります。またマデイラ諸島とアソーレス諸島では、いつでも大西洋を一望しながらペダルを漕ぐことができます。
ウォーキングまたはサイクリングにお出かけの方は、「Portugal is calling. For you. For everyone.」(ポルトガルが皆さまをお待ちしています)の文書でポルトガル当局が公表した安全および防火に関する勧告を確認することを推奨します。
車で自転車を運搬する
自転車はできればルーフラックに載せて運搬してください。例外的にトランクにいれて運搬することもできますが、その場合、運搬する車の幅を超えないこと、あるいは後部まで450mm以上余裕があることが条件です。さらに、ナンバープレートが隠れたり、インジケータやライトを塞がないようにしてください。
詳細について、また不明な点があれば、IMTT – Instituto da Mobilidade e dos Transportes Terrestre www.imt-ip.pt をご覧ください。
公共交通機関で自転車を運搬する
電車– 電車で自転車を運搬する場合、追加料金はかかりません。毎日いつでも、利用可能なスペースに応じて、専用の客車に乗せて市内、地域間の電車で運搬できます。利用者は乗客の乗車と下車の妨げにならないよう、入り口を塞がないように注意する必要があります。
www.cp.pt
リスボン市内バス (Carris) – 723、724、番では、運行時間中毎日自転車を運搬できます (バイクバスwww.carris.pt)
リスボン地下鉄 – 持ち込める自転車は1台のみ、専用の客車が満車でない場合とします。
www.metrolisboa.pt
ポルト地下鉄 – 自転車の運搬は毎日、全線で、専用客車が満車でない限り利用できます。
www.metrodoporto.pt